君がいなくなった桜の季節 

いつも下から見上げている君
いつも上から見下ろしている僕

ふと君のことを思い出す
下から人間を見上げていた小さな君は
どんな気持ちだったのかな〜と

chata

君はいつもやさしい眼差しだったね
ニャーと鳴いたり、手を伸ばしたり
そんな何気ない仕草がかわいかったりする

でも、別れって、突然やって来る
それを教えてくれたのは、君だった

あれっ、大丈夫?
そう気づいた時に、一緒に病院へ行った

「あと1週間くらいでしょう」

そんなバカな
ついこの前まで、元気だったし
食事もちゃんと食べてる

そういえば・・・
普通に飛び越えていた手すり
昨日、足を滑らせてた

ハハハッ
猫でもそんなことあるんだね
今日も滑らせた
そして、散歩に行かず、引き返した君

ヨシヨシと頭を撫でたけど
何も言わなかった君

そのとき、君は何を悟ったんだろうか
僕には、これっぽっちも分からなかったよ

ちょうど桜が咲く今の時期だったよね
君がいなくなって、何年経つんだろう

君がいるのが当たり前
今日もちょこんと座る君
「お母さん、チャタが、削り節を待っとうよ」
「またね、何回やれば気が済むとかね」

そう言いながら、台所の君の定位置に向かう母
そして、両前足を抱えられ、顔をスリスリされていたね

ちょっと迷惑そうな顔の君は
お決まりごととして受け入れていたのかな
そんな光景が懐かしい

そういえば
君たちは、飼い主が亡くなったら、
迷わないように、あの世を案内してくれるそうだね

でも、それはもうちょっと先のことになりそうだから
それまでは、与えられた命、頂いた命

精一杯、頑張って生きるから
見守っていて下さい

いつも下から見上げていた君
いつも上から見下ろしていた僕

今では
僕が君を見上げてる
そちらでは、お元気にやってますか

君がいなくなった桜の季節
今年もやってきましたよ

最後にひとつだけお願いがあるんだけど、聞いてくれるかな?
ときどき、ときどきでいいんだけど
君のことをまた思い出させてくれたら嬉しいかな

ハハッ
それ以外は、何も望みません
話を聞いてくれて、ありがとう
思い出をたくさんありがとう
ありがとう

それじゃあ
また、会えるのを楽しみにしてるから

じゃあね